7月10日 午前4時。
愛犬あんずの『んげげげ~~~~!』と言う
聞いたことも無いようなうめき声で起こされる。
始まった!
ブリーダーさんから教わっていた長い息みが『こんにちは』の挨拶。
お腹には先日レントゲンで確認した3匹のあたらしい命が。
と、10分もしない間に、一匹目がするん!
犬ってやっぱり安産の象徴なんだわ~~~、と感心する。
ところがあんずは知らん顔。
本人、トイレ場所で息んでたから大きいうんちでもしたつもりなのか?
『鼻先に仔犬を差し出せば本能で舐めます』
と聞いていたけれどまったくの無関心・・・
とりあえずおっぱいおっぱい!!
と!
振り向くと寝そべってるあんずの足元に、2匹目がころん!!
今度は袋が顔についてるので拭いてやってへその緒を縛って
はさみでチョン。
はぁ~。まあ順調・・?
あんずの無関心を除いては、ね。
『初めての出産だと驚いてしまって何もできない子もいる』、
とブリーダーさん。
相変わらず、あんずはマグロ状態。どこ吹く風。
でもなんだかおしりあたりからの出血がひどいみたいだけど
大丈夫なのか?!
『へその緒、もっとキツク結ばなくっちゃ駄目なんじゃない?』
『あんずに任せといた方がいいんじゃない?』
サークルの外からオットはあれこれ・・
うるさぁ~~~~い!!
もう!!!必死!必死!必死なの~~~!
と、オットが急に残念そうにつぶやく。
『・・・残念ながら、3匹目は死産だったね』って。
見ると、真っ黒い物体が横たわってる・
え?!!!
や~~~~ん(@_@) !!!
よーく見たら。
2匹の胎盤が出たのでした。
でもそれが出たことで3匹目が産道に降りて来たのか、
突然あんずが立ち上がりクーハン赤ちゃん産む用の場所)に入り、
初の、自分で出産態勢!に。
遠巻きに見ながら。
もしかしたらあんず。
3匹目にしてようやく『出産してるんだ、私!』って
分かってきたのかも
よし、見守ろう!とオットと私。
ここらでブリーダーさんに電話。
『なんとか順調です。3匹目は自分でクーハンでしてるので見守っています』
『はい。ただやはり初めてなので息してるか見てくださいね』
と言われ、慌てて3匹目の子犬を見ると、明らかに1、2匹目と違う!!
クタっとなって、口あけて、息していない。
電話で指示を仰ぎながら、対応するも甲斐なく
ところが・・・
あんずにとっては、この子だけが、自分の(意識持って産んだ)我が子。
あごの下に入れてしまって渡さない
先の2匹に至っては、前足を足踏みするみたいに威嚇し
軽く?噛んだのか、キャンキャンと仔犬を鳴かすしまつ・・・
『親が食べてしまうことがあるので可哀想だけれどピックアップしてください』
そんな電話で話しているうちに、『がっ』 って音が・・
あんずを抱きしめ、ごめんねごめんね!と撫でながら
死んだ子犬を引き離し、オットが別室へ。
あんずはクーハンから飛び出し、興奮して鳴きながら家中を走り回り、
探し回り、収まらず、2匹はおっぱいにも寄せ付けない。
そんな様子に胸が痛く、
私はなぜ、もっと早くクーハンを覗いてやらなかったのかと(@_@。
動物病院の先生からも電話を頂き、
育児放棄の場合は人口でミルクを飲ませなければ最初の子たちも
死んでしまうとのこと。
オットがミルクを貰いに行ってくれた。
あんずが、クーハンの傍に座り込む私のそばに来て寝ころんだ。
それはいつもの行動。(赤ちゃんのことはやっぱり知らんふり)
私は。
あんずを抱き締め、顔と顔をくっ付けて話し掛けた。
あんず、お願い。この子たちも貴女から生まれたの。
あんずがおっぱいあげないとこの子たちも死んじゃうの。
お願いだからおっぱい飲ませてちょうだい。
怒らないで。お願いだから。
低いうなり声を上げるし、起き上がりかけるのを
必死で抱きしめながら抑えて。
クーハンから、まだ羊水で濡れてる子犬をあんずのおっぱいへ。
吸った!
まだ,へたくそだけれど・・
あんずも新米ママ。
だけれどやっぱりそこは本能。
そしてママスイッチが少しづつオンに。
3匹目ちゃんは、あんずがママになるために生まれて来てくれて
生きて、ママスイッチをオンにして、そして逝った。
そして。
今回あんずにたくさんの事を教わった。
その愛の深いこと。
しかし死んだ子を残すことで居場所を敵に突き止められるのを
防ぐため、群れを守るため、本能で親は自分で食べてしまう。
そして。忘れる。
(忘れているかは・・定かではないけれど)
3匹目ちゃんは旦那実家のお庭に先代ワンコの骨と一緒に眠る。
そこもお詣りでき・・・
ようやくアウトプット出来た私。
悲しみの感情をいっぱいいっぱい味わい泣いて抱きしめて。
二匹ちゃんは順調に大きくなっている
あんずのママぶりにも感心♡
沢山の愛を日々感じさせて貰ってる。
長々読んで頂きありがとうございました